建築士コラム
プロジェクトの足跡
上野 隆一
デザイン&ストラクチャー Vol.2
「JSCA構造デザイン発表会2019」
はじめに
JSCAとは一般社団法人日本建築構造技術者協会(略称JSCA:Japan Structural Consultants Association)のことで、1989年に設立された、建築構造に関する高度な技術と豊富な実務経験を有する建築構造技術者の団体です。
第一回の構造デザイン発表会は2009年に開催され今回で10回目となります。構造設計技術の研鑽や意義、楽しさを伝えることを目的に、数多くのプロジェクトが紹介されました。
その中で私が前職時に携わった物件を発表する機会があり、参加させて頂きましたので、その内容の一部を紹介させて頂きます。
第一回の構造デザイン発表会は2009年に開催され今回で10回目となります。構造設計技術の研鑽や意義、楽しさを伝えることを目的に、数多くのプロジェクトが紹介されました。
その中で私が前職時に携わった物件を発表する機会があり、参加させて頂きましたので、その内容の一部を紹介させて頂きます。
建物概要
沖縄県八重瀬町の中心に位置しており、町民サービスの向上と共に、防災拠点であることから、極めて稀に起こる地震に遭遇しても建物機能を維持し、町民サービスの継続を可能とする安心・安全な施設を目標とし計画しました。規模は地上4階、免震層B1階建ての庁舎です。
デザインとストラクチャー
町民が利用しやすく視認性の良い大きな中央吹き抜けがある大空間と執務の組織変更に柔軟に対応できる架構とするため、外観デザインにも寄与している外周耐震壁とコア部耐震壁を合理的に配置し、地震力のほぼ全てを負担する計画としました。
そのことで内部は鉛直力のみを支える細い丸柱と中央吹き抜けを囲む2.5mの跳ね出しスラブ、11mスパンのフラットスラブを用い、開かれたワンフロアな空間と自由度の高いプランニングを可能とすることができました。
フラットスラブにはたわみを軽減するアンボンドPC鋼線を配置しています。また、柱材は無垢鉄骨材を組み立て、最小断面で設計しました。そのことにより、シャッターレールやサッシ帆立と一体化する工夫もあって開放的で明るい中央吹き抜け空間に寄与しました。
そのことで内部は鉛直力のみを支える細い丸柱と中央吹き抜けを囲む2.5mの跳ね出しスラブ、11mスパンのフラットスラブを用い、開かれたワンフロアな空間と自由度の高いプランニングを可能とすることができました。
フラットスラブにはたわみを軽減するアンボンドPC鋼線を配置しています。また、柱材は無垢鉄骨材を組み立て、最小断面で設計しました。そのことにより、シャッターレールやサッシ帆立と一体化する工夫もあって開放的で明るい中央吹き抜け空間に寄与しました。
おわりに
本建物は精度が高い施工性を求められるものが随所にあり、検査、試験を含め多くの人の協力があって完成することができました。また、様々な方々のご厚意や励ましでJSCAにて発表することができました。
このような貴重な機会を与えて下さった前職の上司、同僚、社員の皆様に深く感謝いたします。
このような貴重な機会を与えて下さった前職の上司、同僚、社員の皆様に深く感謝いたします。