建築士コラム
プロジェクトの足跡
上野 隆一
デザイン&ストラクチャー Vol.5
「茶屋町Ⅲプロジェクト」
はじめに
本敷地は、阪急大阪梅田駅の東側エリア内にある、若者向けの飲食・アミューズメント・雑貨・ファッションなどの店舗が多く立ち並ぶ一角に位置しています。
NU茶屋町やNU茶屋町プラス、梅田芸術劇場などのランドマークが周辺景観を形成している中、この周辺景観との調和を図るデザイン計画と構造計画に関わることが出来たため、その工夫した内容を綴っていこうと思います。
NU茶屋町やNU茶屋町プラス、梅田芸術劇場などのランドマークが周辺景観を形成している中、この周辺景観との調和を図るデザイン計画と構造計画に関わることが出来たため、その工夫した内容を綴っていこうと思います。
入念な地盤調査から導いた基礎形式
本計画地一帯は比較的緩い地盤のため、本体架構をS造とした軽い構造種別を採用すると共に、建物重量と掘削土量の重量をバランスさせることで支持層に掛かる荷重増分を抑え、建物を安全に支持する計画としました。
また水位を考慮した掘削レベルの設定や、混み入った敷地への工事車両の搬出入、工期短縮、コスト縮減に最も効果的な工法としてベタ基礎を採用しました。
また水位を考慮した掘削レベルの設定や、混み入った敷地への工事車両の搬出入、工期短縮、コスト縮減に最も効果的な工法としてベタ基礎を採用しました。
デザイン&ストラクチャー
本計画は柱を内部に控えた位置とすることで、片持ち梁で外壁を受持つ計画としました。
この計画は天秤をイメージすると、とてもわかりやすいです。柱を支点とし跳出し側と控え側で重量をバランスさせることで、長期荷重に対し安定した架構を形成します。
この計画は天秤をイメージすると、とてもわかりやすいです。柱を支点とし跳出し側と控え側で重量をバランスさせることで、長期荷重に対し安定した架構を形成します。
そのことから部材断面を縮小させコスト縮減を図ると共に、柱型が出ない外壁となることから、外壁デザインの選択自由度が広がることとなり、結果、周辺建物と調和の取れた外観を形成することに寄与しました。
おわりに
本建物は繁華街の中心部であることから数々の厳しい工事条件や工期、設計条件があり、多くの人の尽力があって完成しました。
この角地の一角に建つ建物が街並み形成に寄与し、皆様に愛される建物の一役になってくれることを願っています。
この角地の一角に建つ建物が街並み形成に寄与し、皆様に愛される建物の一役になってくれることを願っています。